財布とは、ひとことで言ってしまえば、お金を入れて持ち運ぶための入れ物のことです。
いわゆるお金と呼ばれているものには、より具体的には十円玉や百円玉といった硬貨と、千円札や一万円札といった紙幣との二種類があるわけです。
お金にはこの形も大きさも違う二種類のものがあるために、これを入れて持ち運ぶための財布には、この二種類のお金を別々にいれておくための機能性が備わっているのが普通です。
すなわち、十円玉や百円玉という硬貨を入れるための機能性と、千円札、一万円札という紙幣を入れるための機能性がそれぞれあって、この二つの機能性がセットになるように作られている、というのが一般的な財布なのです。
ただし、ごく小さな財布の中にはそうした機能性を持っていないものもあって、そうした財布の場合には、十円玉や百円玉といった硬貨だけを収納するように作られているものもあります。
ただし、それでもお札の一枚や二枚くらいならばたためば入らないこともないのですが、それはあくまでま間に合わせでしかありません。
以前にはこの財布のことを指して、札入れや小銭入れなどと呼んでいたこともありましたが、札入れではお札のみになってしまいますし、小銭入れでは硬貨だけになってしまうので、財布の呼び名としてあまりふさわしいものとは言えないでしょう。
また、今では財布は硬貨や紙幣という「現金」を入れておくだけではなく、キャッシュカードやクレジットカードといった銀行や信販会社などの金融機関が発行している「信用通貨」を入れておくためのもの、にもなっているわけです。
普段、現金は一切持たずに、こうしたキャッシュカードやクレジットカードだけで日常の消費生活を送っている、という人も今では珍しくないからです。
さらには、毎日の通勤や通学に利用している電車の運賃支払いも、今では現金払いや定期券によるのではなく、各種のカードによる支払いも当たり前のものとなっているので、こうしたカードを入れておくことも財布の重要な役割となっているわけなのです。
駅の改札口にはこうしたカードの出し入れ口があるので、財布からこのカードを取り出して差込み口に入れ、出口から出てきたカードを取り出して再び財布にしまう、といったやり方で毎日、多くの人が電車を利用している、という光景はもはや当たり前のものになっているのですから。
このように、財布はかつてのように硬貨やお札といった現金だけを入れておくものではなくなり、今ではキャッシュカードやクレジットカード、鉄道を利用するためのカード、などといった電子マネー用のカードを入れておくためのものにもなっているわけです。
お金の意味も、現在では現金のみではなくこうした電子マネーも含めたもの、というように大きく変わってきているわけですね。
2022/6/23 更新